アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

「虹色ほたる〜永遠の夏休み〜」 感想

この記事は

東映アニメーション制作長編映画「虹色ほたる〜永遠の夏休み〜」の感想記事です。
後半にネタバレありますのでご注意下さいませ。

鑑賞動機

今日思いつきだけで見てきました。
というのも、度々僕の拙い記事を紹介して下さっている「ぬるヲタが斬る」さんとこに、ワーナーマイカルが1000円デイだと書かれていたからです。
20日が1000円である事は知っていて、映画にでも行こうかなとは思っていたのですが、すっかり忘れていたのです。
本来日曜は仕事の予定だったんですよw
だもんで、その記述を読むまで失念していたのですが、これはチャンスとばかりにネットでチケットを購入。
行って参りました。

で、何故この作品を選んだかというと、やはり「ぬるヲタが斬る」さんとこに書いてあったためですw
特に見たい作品があった訳でも無かったので、これも何かの縁かなと思いまして。

そんな訳で、ちょこっと感想です。
ネタバレは後半まで極力無くして書きます。

ネタバレ無し感想

鑑賞の動機が上述のように薄い為(笑)、事前の予備知識ほぼゼロでの鑑賞となりました。
知っていたのは、宇田監督作品・東映アニメーション制作という事くらいでしょうか。
あ〜、原作があるという事も一応知っていました。原作自体は知りませんでしたが。

で、そんな人間が見ても楽しめるのかというと、きっちりと楽しめるような作りでした。
こう書くと悪く言っているようにも思われちゃうかもですが…。
とても単純なお話だったのですよね。

父の死を引きずった少年が、ある少女と出会い、「生きる事」に向き合う。

基本的なお話はこれで(こうだと感じました)、終始直向きにこの事について語られている。
お話の軸が一貫しているから、何も知らなくても問題無いし、老若男女分け隔てなく楽しめる作りになっていたと思います。

唯一引っ掛かりを覚えるとすると絵でしょうか。
キャラデザがどう贔屓目に見ましても、今の流行のものとは一線を画す…というか、非常に独特でした。
こういう他と大きくかけ離れた「目立つ」ものは、どんな時代・芸術・国に於いても、最初は歓迎されるものでは無い気がします。
それはアニメのキャラデザにも同じ事が言える気がして。
最近の深夜アニメに慣らした人であればあるほど、拒絶反応も大きそう。

僕自身も、どっちかというと抵抗がありました。
正直絵だけで判断したなら、見たい映画とも思えませんでした。

でも、まぁ、こういうのは最初だけなんですよね。
実際映画が始まって10分もすれば気にならなくなります。
最後まで見た今としては、寧ろこのキャラデザで良かったのではとも思いますね。

この劇場アニメ。
一言で纏めると「動く童話」だったように思います。

絵本とか児童文学の挿絵をそのままお話と共に動かしたような感じ。
そう思うと絵柄にも納得ですし、だから非常に見ていて安心できる。
大きな事件も無いし、大きな笑いが起こる訳でも無い。
泣かせよう・泣かせようという演出も無ければ、激しく心揺さぶられるシーンも無い。

ただ小さな感動とキャラクターの大きな精神的な成長がある。
公式サイト

ハードなアクションや機械だらけのSFなど、過激な視覚表現だけで訴えかけようとする映画が乱立している中、『虹色ほたる〜永遠の夏休み〜』は、温かな日本人の原風景と人と人との絆を、実写映画にはない、アニメーションならではの自然の描写、そして生き生きとした少年少女たちの姿を圧倒的な映像美で描き出しています。

とあるように、非常に静かな作品。

静かで穏やかで…ほんのりと温かな気持ちになれる映画でした。

ネタバレあり感想

ここからはネタバレありで書きます。
これから鑑賞される予定の方は読まないで下さいませ。





と言っても、長々と書くつもりはありません。
主人公のユウタ君に関して。少しだけ。
彼は常に誰かの心情を思いやれる子です。
母親が「自分の事を心配している」と言えば、会ったばかりの老婆に心配かけさせてしまったと悔いる。
優しい…のかもしれない。
でも、それ以上に彼は父の死を引きずっているという事だったのかなと。

あくまでも僕個人の考えなのですが…。
死というモノは非常に恐ろしいものです。
悲しい以上に恐ろしい。

それまでの日常が一転して非日常に変わる恐ろしさ。
昨日まで居た人物が二度と居なくなってしまう恐怖。

それって途轍もなく怖い事です。
だから、そんな想いを他の人に、特に自分にとって大切な人には味わってほしくない。

死の怖さを知れば、他人を傷つける行為がどれだけの意味を持つのか分かるんじゃないかと思っていますし、ユウタ君はそんな僕の考えを具現化したような(と書くとなんか違うな〜w)子でした。

母の事は兎も角、会って間もない老婆に対してさえ気を配れる彼には、非常に好感が持てました。
そんな彼が死というモノと向き合い、生きることの大切さを知る。
そして一人の少女を救い、やがて約束を果たす。

成長したユウタとさえ子の再会のシーンは、無くても良かったのかもしれない。
それを臭わすだけに留めて終わった方が綺麗だったのかも…。
でも、敢えて描いてくれた部分に、この作品の本当に描きたかったことがあったのかなと思いました。

さえ子が元の時代に戻った後でどうなったのか。
この成長後の部分が描かれないまま終わっていたら、きっともやもやしたと思うんです。

ちらっと描写された状態から察するに、必ずしもいい結果に終わっていたとは思えないから。
ユウタの促した道が間違いで、若しかしたら、あのままお兄さんの元へ行かせてあげた方が幸せだったのかもしれない。
そう想像も出来ちゃう。

実際、後遺症で視力を失ってしまったようですし、相当な辛苦があったものと予想できます。
彼女があそこまで恢復していたのは、本当に頑張ったからなのでしょう。

そんな彼女の人生には、ユウタとの約束の再会という奇跡の光が射した。
そして、若しかしたら視力も奇跡の恢復をしたのかもしれない。
ここは明示されなかった部分ですし、鑑賞した個々人の解釈に委ねられているのだとしたら…
僕はさえ子が幸せにユウタと暮らしていく未来を想像したいかな。

生きてさえいれば、いつか必ず報われる。

ユウタの、さえ子のあの時の決断は決して愚かな事でも、間違いでも無かった。
そういう意図が込められた2人の再会シーンだったんじゃないかなと思います。