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アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

リアル妹のいる人間から見た「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」原作感想!

ライトノベル

この記事は

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」に関する感想記事です。
原作のネタバレがありますのでご注意下さいませ。

原作を読んだきっかけ

おもしれ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
もうね、既刊全巻いっきに読んじゃいましたよ!
論考の趣旨に移る前に、先ずは誰も興味の無いであろう原作に手を出した経緯を書いてみます。

僕はTVアニメでこの作品に出会いました。
何だか気に入って当たり前のようにBDを全巻購入。
つい最近そのBDを全巻見たのですが、非常に面白かった。
何より特典映像が最高に良かったのです。

原作者である伏見つかさ先生書き下ろしのオーディオコメンタリー風の特典映像。
本編内容をSDキャラ2人が見返して、コメントをする…という体裁のメタメタなものだったのですが…。
これが実に原作を読みたくなる内容だったのですよね。
アニメ本編のその後を素直に知りたいと思わせてくれたのもそうですが、なによりキャラ同士の絡みが最高におかしかった。

なんていうのですかね。
どう真似ても真似は真似でしかないというか。
失礼極まりない言い方かもですが、原作通りの掛け合いを脚本に起こしても、それはもう別物になっちゃうというか。
原作のテイストはやはり原作者本人にしか出せないんじゃないかな。
この特典では原作の掛け合いの楽しさ・台詞の面白さが存分に垣間見れたのですよね。

この方が書いた文章を読んでみたい

と思ったのです。
だから、全巻購入して、アニメを見もせずに読み耽ってしまった訳で。
それ程面白かったのですよ。
お陰でHDDがヤベ〜ことになっちゃっていたりします。
全く後悔などしてませんけれどね。
そんな訳で本稿に入っていきます。

勿論ネタバレ全開の内容ですので、原作未読の方はここで引き返してくださいませ。

京介と桐乃の兄弟観

僕には2つ下の妹がいます。脳内妹じゃないよ?
正直仲が良いとは言えないけれど、別に悪い訳でも無い。
ごく普通の仲の妹がいます。

口を開けば怒鳴ってくるし。(情緒不安定というか沸点低いというか)
喧嘩すれば本気でムカつく事を言ってくるし。
正直関わり合いになりたくなくて、こっちからはなるべく喋りかけないようにもしていた時期があります。

こんなの程度に差があれど、どこの兄妹でも同じだと思うのですよね。
京介の常套句じゃないですが「年の近い妹の居る兄貴ならば分かってくれる」んじゃないかな。

だからかな。京介の感情は非常によく分かるのですね。
京介から見た一人称という語り口だから、アニメを見ている時以上に彼の妹に関する想いには共感できちゃう。

例えば「桐乃に彼氏が出来た時の気持ち」。
これ、妹の居ない人からするとどう思ったのかなと逆に興味があります。
有り得ない。シスコン。キモイ。非現実。
なんだかそういう「否定的な」感想が多勢を占めるんじゃないかなと勝手に想っちゃう。
少なくとも「分かるわ〜」という人はいないと思う。
妹の居ない人には分からないんじゃないかと思うのですよね。

勿論妹が居ても分からない人だっているだろうけれど、僕はここすんごく理解しちゃったのです。
京介の気持ちを100%理解しているという自負など抱けないですが、それでも彼の気持ちは理解したつもり。

妹に彼氏が出来た時。
やはり僕も複雑でした。
流石に「俺の認めた奴しか認めん」とかそういうシスコン全開の思いまでは抱かなかったのですが。
やはりどこか面白くなかったんですよね。
僕や両親が不在の時に、「彼氏を連れ込んで泊まらせてもいいか」なんて言って来た時は、何故か必死に反対して。
本心を知られたくないので、適当な理由をくっつけてまで反対したり(汗
自分でも気持ち悪いと思うのですが、それくらいの「抵抗」はしました。

普段関心も無いし、ムカつく事も多いし、好きだなんて口が裂けても言えないし、よく分からないけれど…。
なんか嫌だったな〜と。

どちらかというと思い返したくない思いを蘇らせてくれる程度には、京介の気持ちが分かって。
この辺、「妹」である事って結構重要かなと思っているのですよね。
「姉」の場合、同じ女兄妹でも多分こういう感情は起きないんじゃないかと思うし、男兄弟なら言わずもがな。
「偽物語」最終回を見た時も思ったのですが…「妹」って他の兄弟姉妹とは違う特別な存在というか。
いやや〜。書いていてなんか嫌や。キモイ。

なんていうか。
大嫌いな存在なんだけれど、そんな妹を泣かしたり悲しませたりした奴には殺意を覚えるというか。
殴りかかりにいってもおかしくないというか。
書けば書くほどキモイ事になっていくな〜。
なんちゅーか、そういう不思議な存在。

そんなリアルな兄弟観が描かれていると。
これをコメディタッチで描いてくれているから、気恥ずかしく無く楽しんで読めるのですよね。

桐乃の全ては京介ラブから来ているという妄想

って、ここまで書いといてなんですが…。
この兄妹の互いを想う気持ちって異常ですよね(笑)

どんだけ妹・兄貴を好きなんだと。
いくらなんでもここまで兄(妹)を好きな兄妹はリアルには居ないと思うw
この辺は創作物上の誇張だと思うのです。流石に。
ま、勿論僕の様な人間もいるから世界中探せば似た兄妹は居るかもですけれどね。
それくらいのリアリティは持っていると思うのです。

にしても、本当に異常です。
特に桐乃。
どんだけ兄貴好きなのかと。

5巻まで読み終えたときかな。
「京介と付き合うには、桐乃に認められる必要がある」と漠然と感じました。
実はアニメ放送時に、黒猫が京介と付き合うという事だけはネタバレされて知ってしまって居た為です。

この作品のメインヒロインは桐乃です。
でも、彼女が主人公である京介の彼女になる事は有り得ません。
近親相姦を推奨するような作品でも無ければ、桐乃が京介の義妹という逃げ道がある訳では無いからです。

でも、メインヒロインである以上、彼女が兄貴を大好きである以上、彼女を蔑ろにする事は出来ない。
父親が娘の連れて来た男を認めて結婚を許すくらいの事が絶対に必要だと思ったのです。

だから京介が付き合えるのは、彼女が心から気を許している相手だけなんじゃないかなって。
という事をメインに長々と記事を書こうと思っていたら、8巻で思いっきりそんな展開になって吹いた(笑

でも。だからかな。黒猫と別れちゃったことは残念ですけれど、これは納得の展開でした。
流石に京介の軽薄というか…冗談の軽口は行き過ぎているなとも思っていたし。特にあやせに対して。
彼の心の声が赤裸々に描かれているから、必要以上にそう感じてしまっていて。
これを経て京介は冗談でもヒロインらに「セクハラ」しなくなったのは、良かったなと思いましたね。


話を変えましょう。
読んでいて思ったのですが、アニメを見て思った以上に兄貴を好きなんだなという事。
妄想でしかないですが、彼女の構成要素って元は全て京介にあるんじゃないでしょうかね。

モデル、陸上、オタク趣味。これら全てです。

先ずは陸上。
元々足が遅かったという桐乃は「超ムカつく事」があったから、努力して足が速くなったと言っています。
この「超ムカつく事」。間違いなく京介絡みなのは明白ですよね。

小学生の頃って、年齢差がそのまま運動能力の差に明確に出ますよね。
特に低学年の子が上級生に勝つことは先ず有り得ない。

子供の頃、京介は麻奈実と一緒に走って遊びに行く事が多かったのではないかな?
その頃から兄貴大好きだった桐乃は兄と一緒に遊ぼうと必死に後を追った。
しかし、年齢差から来る運動量の差にはどうしても抗えなかった。

ドンドン引き離されて、自分だけが惨めにも場に残されてしまい。
悔しくて悔しくて。
勿論京介には「妹を置き去りにした」という自覚が無かったでしょうから、彼には気づきようの無い事でしょうが。

これが切欠で桐乃は陸上に入れ込むようになったのではないかな…と妄想出来る。

同じようにモデル活動とオタク趣味もそう。
ちょっとでも綺麗になって振り向かせてやろうとかいう気持ちでオシャレに気を使って自分を磨いていたら、スカウトされた…とか。
オタク趣味の方は、妹モノのエロゲーに嵌った経緯かな。
1巻で京介が思った通りの動機でやり始めて(酷く屈折しているけど)、本気で嵌っちゃった系なのかなと。

桐乃というキャラを構成する全てが「兄貴大好き」で成り立っている。
凄いキャラだと思っています。
この桐乃を筆頭に、この作品は本当にキャラが凄い深くて面白い!のです。

キャラを活かす事に徹底したストーリー

1巻と2巻の"ボスキャラ"が分かりやすいかなと。
1巻の親父。
頑固で警察官で、曲がった事が許せない昔気質の人。
そういう基本があるから、「一度口にした事は二度と曲げない」という性格に説得力が出ますよね。
この性格を徹底的に利用しちゃっているのが凄い。
親父を力づくで”説得”した時の言葉。「バカ息子が!!勝手にしろ!!俺はもう知らん!!」というもの。
アニメ見ていた時は、「息子の真意を分かって、そこまでして妹を庇おうとする京介の気持ちを汲んだ」のだと思いました。
とはいえ、御咎めなしなのもアレなので、場を納めるために一発殴った。
そう解釈したのですね。

この解釈自体は決して間違いでは無かったと今でも思っていますが、上の性格がこの言葉をより確かなものにしていると。
このセリフを引き出した時点で京介の勝ちで、二度と両親が桐乃を追いつめる事は無いとする、凄い纏め方だと感じましたね。

続いて2巻のあやせ。
こちらは「嘘が嫌い」というモノ。
やはりこの性格を利用して、彼女の"理論武装"を看破。
「京介の言葉を嘘だと見抜いた上で、それに乗って落としどころを見出した」という纏め方も憎いです。
嘘が大嫌いな少女が、その嘘を利用したという。
それだけ彼女が桐乃を好きだという事ですよね。

こんな感じで、キャラを徹底的に活かしているストーリーが凄いと感じますね。
逆にストーリーからキャラを作ったのかもですが、そんな事はどうでも良いです。

各キャラが濃くて最高というのは、9巻で更に実感しました。
京介視点の本編とは違って、各ヒロイン視点で描かれた短編集。
これもスゲェ面白かった。

京介視点では分からない各キャラの心情がやたら丁寧で、そして惹きこまれる。
DVD・BDの1巻特典となった書き下ろし小説もそうかな。

桐乃視点で描かれた1巻の序盤。
黒猫視点の2巻・オフ会でのエピソード。

既に何度も見知ったエピソードなのに、キャラを変えるだけで全く違って見える。
凄く面白く感じられたのです。

キャラが変わるだけで既存のお話でも面白く読めるのです。
これはもうキャラが素晴らしく魅力的だからじゃないかな。
僕はそう思います。


長くなりましたが、一先ずここらで終えます。
まだまだ書きたいことがあります。
4巻の小説パクリ事件のアニメ版との違いに関してとか。
ただ、今回はやめておきます。
非常に長くなっちゃいましたしね。
ダラダラと長くなりましたが…それ程面白かったという事でご勘弁をw

先日アニメ2期の噂を見かけました。
根も葉もないホントに噂レベルの事。
ただ、これが真実であってほしいと願っちゃいます。
もしアニメ2期があるなら8巻(9巻)までかな。
きりが良いですしね。

原作読んで、より一層アニメでの続きが見てみたいとも思いましたし、実現してくれるといいな。
その前に原作10巻ですね。
ここから新展開。もしかしたら"最終章"となるのかもですが…。
刊行が待ちきれないです。

そうそう。
リアル妹がいるお兄さんは、この本を読むのに気を付けた方が良いです。
これを読んでるとこを親に見られて「あんた、妹が好きなの?」とか言われた日には…。

死のうかと思ったね。