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「逆転裁判」 感想

この記事は

映画「逆転裁判」に関する感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

映画「逆転裁判」を見てきました!
原作となったゲームは僕にとってNo.1の大傑作なので、すんごく楽しみだったのです。
ではでは、早速感想です。

ストーリー

原作のシナリオ4話を上手い事再構成して、120分ちょっとに纏め上げたシナリオは凄かった〜。
原作2話と4話を中心にして、DL6号事件を全ての謎の帰結になるよう上手い事改変もされていて、初見でも見やすく分かりやすい構成だったと思います。

ただ、それでもやっぱり時間的には無理があったかなと思っちゃいました。

この作品の醍醐味はやっぱり「窮地からの逆転劇」にあると僕は思っています。
ギリギリの綱渡りをして、なんとか相手にダメージを与えていくも、犯人の悪あがきともいえる反撃を食らって追いつめられる。
証拠を出し尽くし、証人の矛盾も全て突き終え、揺さぶりも試した。
絶体絶命、どうしようもないという状況の中、発想の逆転をもって状況まで逆転させる。
そういうスリルと一気呵成に責めたて、犯人を陥落させる爽快感がたまらないんですよ。

映画ではこの辺が味わえなかったのが、なんとも残念でしたね。
原因としては、ナルホド君の持ち合わせている情報が予め公開されていないからかなと。
ゲームの場合、手持ちの情報が常に把握できていて「一見するとそれらの情報を全て出し尽くした」と思っているからこそ「ナルホド君の窮地」にハラハラ出来るのですね。
ようするにプレイヤーと操作キャラ(ナルホド君)が一体となれるゲームならではの体感です。
この映画では、ナルホド君の手持ちの情報が事前に示されている訳では無いのですよ。
その状態で「どうしよ〜〜」と頭を抱えている姿を見せられても、イマイチピンと来なかったのです。
一緒になって「これはヤバイ状況だなぁ」と思え無くて、客観的に「なんとか出来ないの?」と思っちゃう。
この辺はメディアの違いからくる事なのかもですが、それでも時間さえあれば何とか出来たと思う部分なので、だからこそ残念に感じましたね。

も一つ。犯人を追い込まない。というか、追い込みが殆ど無い。
小中なんて「犯人の疑いがある」というレベルでお話が(一先ず)終わっちゃうし、灰根もわりとあっさり自供。
ラスボスに至ってようやく多少粘りましたけれど、それでもあっけなく感じました。
それに全員「豹変」しませんでしたしね。
追いつめた時に見せる何とも言えない「焦りの表情」。
実写なのでゲームと同じようにというのは難しいですが、姿を再現したのならばその辺まで再現して欲しかったですね。

笑いどころも殆ど無く(これは本当に個人差があるので、人によっては大笑い出来ると思います)、シリアスに比重が置かれていた点も個人的には残念だったかな。
総じて盛り上がりに欠けていたので、人によっては退屈に感じられるかもです。

と、ぐだぐだと批判的な事を書いちゃいましたが、でも満足はしております。
上のはあくまでも「原作大好きだからこその批判」ですからね。
原作を無視して単に一本の映画として見れば、上手く纏まったシナリオでした。

キャラ

姫神の再現度マジ高い!(笑)
ちょいキャラでしたけれど、一番似てたと思う。
メインで言うとやっぱり矢張でしょうか。
てなわけで見た目は概ね再現度高くて満足。(一部全然違ったキャラもいましたがw小中とか小中とかwww)
ここまでやってくれると本当に清々しい。
予告などでは「ちょっとイメージ違うかな」と思っていた真宵でしたが、普通に可愛かったですしw
あれはあれでアリですねw

そしてなんといってもナルホド君がカッコ良すぎですね。
成宮さんのナルホド君ははまり役でした。

んで。これは全体的に言える事なのですが、やはりコミカルさは皆無でしたね。
シナリオが原作と違いシリアス偏重だったので、表情・動作・台詞とどれをとっても皆真面目な感じだったのが残念無念。

まぁ、あまりコミカルにしちゃうと、それはそれで…となっていた可能性もあるんですよね〜。
ただでさえ奇抜なゲームキャラの外見を再現しちゃっているので、下手するとコントに見えちゃうので。
なので、まぁ致し方ないのかなとも。

総評

感想の大方が批判めいたものになっちゃったのは、本当に御免なさい。
色々書きましたが、本当に満足はしております。
ただ、もう一度同じスタッフ・キャストで、今度は時間をたっぷり使った「逆転裁判」を見てみたいと思ったのも事実ですね。
シナリオが上手く纏まっていたのも事実ですが、反面”遊び”の部分が無かったですし。
(「逆転裁判」の面白さの半分は”遊び”の部分にあると思ってます)
説明不足の部分もありましたしね。

最後に。
ゲームを知らずに映画を見た方には是非ゲームをプレイして頂きたいです。
ナルホド君が主役を務める「3」までは本当に名作です。
特に「3」のシナリオは筆舌に尽くしがたい程素晴らしいものとなっています。
映画で興味を持った方は勿論、映画はダメだったと感じた方にも、是非是非遊んでほしいですね。